灯りの無い廊下を進むあなた。
背後から弱々しく届く光も、すでにほとんど意味が無いような状況だ。
このまま闇の中を進むのは如何なものかと、あなたが思案し始めたころ。
ずいぶん先に、どうやら曲がり角があるようだ。
その先にある灯りがぼんやりと漏れているのが確認できた。
ずいぶんと長い廊下だったが、とにかく先が見えた。
あなたが先の光を目指して踏み出した足は、しかし、廊下を踏みしめることは無かった。
目の前に広がる暗闇は単なる闇では無く、落とし穴だった。
ずいぶん時間が経ってから、穴の底からグシャリという音が聞こえた。