あなたは部屋を出て、廊下を右に向かった。
電灯が途中で切れており、先がどうなっているのかは分からない。
しかし、真闇では無いので目が慣れればどうにか見えるだろう。
ゆっくりと、慎重に歩を進めるあなた。
キィッ キィッ
聞いたことの無い音がする。
いや、これは声か?
鼠を思わせるような、小動物の鳴き声に聞こえる。
次の瞬間。
バサバサバサバサッ
無数の羽ばたき音が聞こえた。
間違いない、コウモリだ。
電灯のある方へ戻ろうとしたあなたは肩のあたりに激痛を感じた。
猫ほどもあろうかという大きさのコウモリが、あなたの腕に取り付いている!
その数はどんどん増える。
樽の中の液体を浴びてしまったのが災いしたようだ。
コウモリはそのニオイに釣られ集まった。
それが分かったところで、もうあなたにはどうすることもできないが。