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ここは坂津の実験場です

12.右へ行く

あなたは部屋を出て、廊下を右に向かった。

電灯が途中で切れており、先がどうなっているのかは分からない。

しかし、真闇では無いので目が慣れればどうにか見えるだろう。

ゆっくりと、慎重に歩を進めるあなた。

 

キィッ キィッ

 

聞いたことの無い音がする。

いや、これは声か?

鼠を思わせるような、小動物の鳴き声に聞こえる。

 

次の瞬間。

 

バサバサバサバサッ

 

無数の羽ばたき音が聞こえた。

間違いない、コウモリだ。

電灯のある方へ戻ろうとしたあなたは肩のあたりに激痛を感じた。

猫ほどもあろうかという大きさのコウモリが、あなたの腕に取り付いている!

その数はどんどん増える。

 

樽の中の液体を浴びてしまったのが災いしたようだ。

コウモリはそのニオイに釣られ集まった。

それが分かったところで、もうあなたにはどうすることもできないが。

 

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